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車両運転台を他の生産工場に移送するのに使われる高精度スタンドの検査ができたのも、顧客にリアルタイムで逸脱報告書を提出できたのも、また、複数の修理策のコストを見積もってより良い意思決定が行えたのも、 自動3D測定システムがあったからこそでした。
このため、コンポーネントの品質を確保し、仕様や規制に確実に適合させるためには、従来の自動車の扱いを熟知した技術者で構成される品質管理チームは、その方法やツール、ワークフローを変更する必要に迫られることも少なくありません。さらに、EVメーカーは、最新の革新的技術をつぎ込んだ製品をできる限り早く発売する必要があるため、QCチームには高スループットの維持も求められます。
製品の安全性と生産スループットの向上のため、自動品質管理システムの工場への導入、それも生産現場への導入に舵を切るEVメーカーがますます増えています。異常はただちに技術スタッフに報告され、迅速な是正措置が取られます。検査の加速化によってスループットも向上し、市場化までの時間も短縮できます。
非効率な品質管理メソッドと熟練者不足によるスループットの低下
現在の厳しい労働市場では、効率的な品質管理検査の実施に必要な経験や知識を有する熟練者が圧倒的に不足しています。
手作業による検査も従来の座標測定マシン(CMM)による検査も時間がかかります。いずれの方法も、作業者の効率の良し悪しに左右され、人的ミスも発生しやすくなります。CMMは専用のラボに設置されることが多く、つまりは、プログラミングやセットアップ、生産ラインとラボとの間を行ったり来たりするのに多くの時間を取られることになります。CMMの測定速度はそれほど速くないうえ、メトロロジー専門スタッフが操作する必要もあります。こういった要因すべてによって、品質管理検査の実施が大幅に遅れる可能性があります。
高精度スタンド測定用検査治具を使用した場合の結果
(例えば公差±2 mmの)検査治具の手動検査ステーションで検査を行う場合、スキッドはこの治具に合えばいいだけです。合わない場合は、公差外とみなされます。ただし、どれだけ外れているかはわかりません。真の問題が何か、また、どの面に不良があるかを正確に知るのは不可能です。さらに、この測定方法では、4つの重要な固定位置の実際の位置を示すことも不可能です。
検査サービスや修理サービスを提供する企業は、どうすれば顧客に対し100%の透明性を確保できるのでしょうか?
自社の検査で発覚した問題点の修理を有償で行う場合、不良の数が多ければ多いほど、より多くの修理を行わなければならないという利害対立が起こる可能性があります。サービス企業は修理の理由を問われるかもしれません。また、顧客から、その損傷はそれほど深刻なのか、本当に修理が必要なのかと尋ねられる場合もあるでしょう。このため、測定結果と、どこを修理したかをリアルタイムで示す以上に良い方法はありません。顧客が自社製品の品質情報を入手できるようにする必要があるのです。自動品質管理ソリューションを活用すれば、ありとあらゆる透明性を確保できます。
複雑なEV部品や生産タイプによって検査が複雑に
さらに、EV部品サブシステムは従来の自動車部品に比べより複雑なため、検査に追加のステップが必要になる場合もあります。例えば、従来の検査技術は表面仕上げの影響を非常に受けやすい場合があり、検査を適切に行うためには粉末を塗布するなど表面に処理を施さなければならないこともあります。この処理に余計に時間がかかるうえ、予測も難しく、適切に行えなければ検査精度にも影響が及びます。
しかも、EV部品の多くが再加工できません。つまり、検査スタッフが品質の問題を見過ごしてしまえば、非適合部品が生産ラインに紛れ込み、その生産ラインが即停止に追い込まれる可能性があるということです。EVメーカーで、生産に入る前に、所定のサイクルタイム内で完成部品をすべて測定する必要がある場合が多いのはこのためです。
また、自動車業界全体で、EV車の生産が多品種少量生産へと移行しつつあることも知っておく必要があります。すなわち、品質管理チームは頻繁にCMMのプログラミングの変更を余儀なくされます。つまり、ここでも時間を取られ、経験豊富なメトロロジー専門家の知識が必要になるということです。
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